こちらの記事の通り、海洋法条約において、公海上は上空飛行の自由まで保障されているので、航空機の活動も海洋法条約の違反を構成する可能性があります。海洋法条約の観点からより正確に説明を加えると、中国もオーストラリアも公海を上空飛行をする自由を有しているので、飛行すること自体はもちろん合法です。ただ、その自由を行使するに際して、他国の自由に「妥当な考慮(due regard)」を払う必要があります(海洋法【162】)。オーストラリアは、そのように主張しているわけではありませんが(そもそも国際法違反と主張しているわけでもなさそう)、国際法違反を追及するのであれば、中国戦闘機の行動は、オーストラリアの自由へ妥当な考慮を払っていない、という主張になるのかと思います。